大阪中之島美術館へ 大阪アートを満喫する春さんぽ

水都・大阪の名所「大阪中之島美術館」へ
アートを満喫する春さんぽ

2023.04.21

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Written by: TK(TK)

● アートがあふれる大阪・中之島エリア

構想から40年、長い準備期間を経て、大阪中之島美術館は昨年2月に開館しました。水都・大阪の名所として話題ですが、中之島エリアには美術館や近代モダン建築など気になるスポットがたくさん!お散歩しながらぐるっと巡ってみませんか?

● 大阪中之島美術館

魅力1:ブラックキューブと幸運を呼ぶ「船乗り猫」

大阪中之島美術館の特徴といえば黒い箱のような外観。美術館というと、歴史的建造物や最近ではガラス張りの建物をよく見かけますが、このデザインは中之島のビル群の中でもひときわ存在感を放ちます。

中之島美術館と猫のオブジェ

入口では現代美術作家・ヤノベケンジさんが制作した「SHIP’S CAT」が来館者を出迎えてくれます。大航海時代に船の守り神として一緒に旅をした「船乗り猫」がモチーフで、江戸時代に各藩の蔵屋敷が立ち並び、多くの船が行きかったことにちなんで設置されたそうです。

魅力2:その数6,000点超!圧倒的なコレクション

構想から40年というだけあってコレクションの数も半端ではありません。佐伯祐三やモディリアーニなど近代美術の名品から、ロートレックやミュシャなど近代・現代のアート作品まで、国内外の代表的な美術作品を6,000点以上も所蔵しています。作品によっては評価額が購入時より10倍以上も高騰しているそうで、代表的なのがモディリアーニの『髪をほどいた横たわる裸婦』。1989年に大阪市が19億3,000万円で落札し、地方自治体が購入した美術作品としては最高額と話題になりましたが、現在では200億円以上の価値があるといわれています。

アメデオ・モディリアーニ 
《髪をほどいた横たわる裸婦》1917年、大阪中之島美術館

● 国立国際美術館

魅力:世界的にも珍しい完全地下型の美術館

続いてご紹介するのは大阪中之島美術館のお隣にある国立国際美術館。1977年に開館し、2004年に完全地下型の美術館として移転オープンしました。こちらは国内外の現代美術を中心に所蔵しており、横尾忠則、草間彌生、ピカソ、セザンヌなど約8,000点ものコレクションがあります。

シルバーの前衛的なファサードはアルゼンチン出身の建築家シーザー・ペリによるもので、「竹の生命力と現代美術の発展・成長」をイメージしたそうです。同氏は超高層ビルを多数デザインし、大阪ではあべのハルカスを手掛けたことでも知られています。建物は地下3階建てですが、地上からの光が巧みに取り入れられており、意外にも明るさを感じる空間になっています。

● 大阪府立中之島図書館

魅力1:訪れる人を魅了する新古典主義の傑作

中之島は近代モダン建築の宝庫ですが、1904年に建てられた大阪府立中之島図書館もその一つ。外観はルネサンス様式を、内部はバロック様式を基本とし、1974年には国の重要文化財に指定されました。

中之島図書館のギリシャ神殿のような外観

館内に入ると目を奪われるのが美しい曲線を描くドーム状の中央ホール。天井のステンドグラスや重厚感ある大階段はまるで海外の教会に来たかのよう…。階段や回廊の部材は西洋だと大理石が使われることが多いですが、あえて木材を使い日本らしいエッセンスを加えているそうです。

ドーム状の天井に美しいステンドグラス

ゴシック様式に和のエッセンスを取り入れた大階段

魅力2:おしゃれな北欧カフェ「smørrebrød kitchen nakanoshima

Smørrebrød(スモーブロー)とはデンマークの家庭料理で、ライ麦パンに魚介や野菜などの具材のせたオープンサンドのこと。日本でも数少ない専門店が、なんと館内にあります。木のぬくもりとグリーンが素敵な癒やし空間は散策の休憩にぴったり。私はデザートスモーブローと季節限定のイチゴのドリンクを頂きました。スモーブローはテイクアウトも可能なので、近くの中之島公園でピクニックをするのもおすすめですよ。

西日本初のスモーブローカフェ

● 見逃せない!おすすめスポット

ダイビル本館

ロマネスク様式を再現したダイビル本館

1925 年(大正14年)竣工の「旧ダイビル本館」の一部を復元して2013年に現在の姿に再開発されました。館内の郵便ポストは竣工当時のもの。飲食店やカフェなどもあり、ランチタイムは多くの人でにぎわいます。

レトロな私設郵便函

日本銀行 大阪支店(旧館)

辰野金吾の設計の日本銀行大阪支店

明治36年(1903年)建設。旧館は明治建築の第一人者であり、東京駅の赤レンガ駅舎を設計した辰野金吾の設計。

こども本の森 中之島

安藤忠雄設計のこども本の森

建築家・安藤忠雄が設計。館内は事前予約制ですが、エントランスの青いりんごのオブジェは誰でも見られます。いつまでも“青春(=熟さず青いままのりんご)”でいられるように、との願いが込められているそうです。

こども本の森の青いりんごのオブジェ

お散歩が気持ちいい季節。ゴールデンウイークは建築にアートにグルメに、魅力いっぱいの中之島をぜひ満喫しに来てください!

▼合わせて読みたい記事はこちら
Osaka Metroで行ける大阪絶景スポット~レトロ建築編~

※記事の情報は2022年のものです。

紹介したスポット

大阪中之島美術館

[アクセス] 「肥後橋駅」3号出口から徒歩約10分
[営業時間] 10:00~17:00(入場は16:30まで)
[定休日] 月曜日(祝日の場合は翌平日)

国立国際美術館

[アクセス] 「肥後橋駅」3号出口から徒歩約7分
[営業時間] 日~木曜日 10:00~17:00(最終入場は16:30)
金・土曜日 10:00~20:00(最終入場は19:30)
※開館時間は臨時に変更する場合あり
[定休日] 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始、展示替え期間

大阪府立中之島図書館

[アクセス] 「淀屋橋駅」1号出口から徒歩約4分
「北浜駅」1A出口から徒歩約7分
[営業時間] 火~金曜 9:00~20:00
土・日曜日・祝 9:00~17:00
[定休日] 毎週月曜日(その日が祝・休日のときはその翌日を振替休館)
毎月第2木曜日 (7・8月をのぞく)
年末年始

smørrebrød kitchen nakanoshima

[アクセス] 「淀屋橋駅」1号出口から徒歩約4分
[営業時間] 月~木・日 9:00~17:00 / 金・土 9:00~20:00
[定休日] 不定休